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    融資額の総量規制と罰則の強化

    ●過剰な貸しつけを抑制●


    新しい貸金業法では、1人あたりに対する融資額にも制限が設けられました。消費者金融業者は、年収の3分の1までしか融資できなくなります。申し込み者の返済能力を調査することは、現在は「努力目標」となっていますが、新法では「義務」となります。
    申し込み者の他社借り入れ状況を正確に把握することは、現在のシステムでは難しいですが、機関の枠を超えて情報が共有化する制度の導入も決まっています。信用情報のネットワークが整備され、総量規制が守られれば、多重債務に陥る人は間違いなく減るはずです。

    ●違反業者に対する罰則●


    新しい貸金業法では、罰則も強化されています。現在、出資法で定める上限を超える金利で融資をおこなった場合、罰則金1000万円か5年以内の懲役もしくはその両方となりますが、新しい貸金業法では、20%を超える金利で貸しつけをおこなった場合、罰則金3000万円か10年以内の懲役もしくはその両方が科されます。
    また、業界への参入条件もきびしいものになりました。現行法では貸金業登録時に必要な純資産額は500万円となっていますが、新しい貸金業では5000万円以上の純資産がなければ、登録できなくなります。


      これまで規則に反した業者に対しては登録取消や業務停止といった措置がとられましたが、新法では「業務改善命令」という措置が導入されます。

      ●法改正にともなう問題●


      新しい貸金業法は規制が強化され、利用者にとっては歓迎すべきものだといえます。しかし、問題点もあります。ひとつは、与信審査がきびしくなるということです。審査がきびしくなれば、消費者金融を利用できる人は限られてしまうでしょう。比較的余裕のある人しか融資を受けられず、お金に困っている人が消費者金融を利用できないという状況になってしまうと、本末転倒です。
      それだけでなく、消費者金融からお金が借りられなかった人が、ヤミ金へと流れる可能性があります。そうなればヤミ金が現在よりも増えてしまうという可能性だってあるのです。
      また、前述した通り、改正法では貸金業登録・更新時に必要な準備金も大幅に引き上げられました。そのため、NPOバンクも存続が危ぶまれています。NPOバンクは環境保全や福祉活動などをおこなう人に対して融資をおこなう非営利バンクのことで、悪徳業者を駆逐するための法改正によってこのような団体がダメージを受けるというのは、悲しいことです。
      新しい貸金業法は、施行から2年半の間に、随時微調整がおこなわれることになっています。行政の適切な対応に期待しましょう。

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